[妊娠中の漢方薬] 妊娠中に病気になった場合は漢方薬を飲みたいのですが、どんな病気に対応しているのでしょうか。(29歳・主婦)

妊娠中の漢方薬といえば、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)があまりにも有名です。安胎効果があり、妊娠中ずっと飲む人もいます。
しかし妊娠中は、当帰芍薬散以外にも、実に多くの漢方薬を使う場面があります。長い妊娠期間に不都合な症状が出ることもあるのは当然で、その場合、もちろん西洋医学でも対応できる薬はあるのですが、使える薬と使えない薬があります。一方、漢方は妊娠中も飲める薬が多く、逆流性食道炎、不安神経症、パニック障害、副鼻腔炎、胃炎、風邪など、かなり広い範囲で対応できます。
例えばこんなことがありました。ある妊婦さんが、お産する前日、じん帯を損傷し、足が腫れてひどく痛んだのですが、直前なので強い鎮痛剤が飲めません。そのとき炎症を抑えて痛み止めにもなる漢方薬を飲み、踏ん張ることもできて無事にお産ができたのです。
また、歯が痛いというとき、西洋医学で飲める薬は限られてきますが、漢方ならうがいしながら効いてくる薬があります。妊娠中飲めないからといって何もしないよりは、対処して症状を改善する方がいいでしょう。産後の場合も、授乳中は西洋医学の薬が限られてくるので、産後うつなどにも役立ちます。
ただし、状況や体質に応じて薬を選ぶ必要があるので、専門家によく相談しましょう。