[橋本病] 知人が橋本病だと聞きました。どんな病気ですか。(35歳・主婦)

橋本病は「甲状腺機能低下症」の代表的な病気で、男性より女性に多く発症します。別名を慢性甲状腺炎といい、自己免疫性疾患の一つ。明治45年、九州大学の橋本策博士が医学誌に発表したのが名前の由来です。
一方、バセドウ病は「甲状腺機能亢進(こうしん)症」。甲状腺ホルモンが過剰に作られ、新陳代謝が活発になり過ぎ、常にジョギングしているような状態で、動悸(どうき)や息切れなどの症状が起こります。
橋本病は、バセドウ病とは逆に、甲状腺ホルモンが十分に作られなくなって新陳代謝が低下します。ですから、身体活動が活発になり過ぎるバセドウ病とは反対に、体がだるい、眠い、無力感という症状が現れます。そのほか、むくみ、便秘、物忘れ、体重増加、月経不順、月経過多などの症状が現れることも。
また、橋本病もバセドウ病も、甲状腺が腫(は)れるケースがよくあります。甲状腺がんの可能性もあり、腫れを感じたら注意が必要です。
診察は、内科か産婦人科へ。採血で甲状腺の抗体をチェックして診断します。甲状腺機能が正常であれば様子を見ますが、低下している場合は、薬を飲んで甲状腺ホルモンを補います。 体がだるくて忘れっぽいというだけでは「年のせいかな?」と見過ごしてしまい、病気に気付きにくいものです。気になる症状があれば受診しましょう。