[深部静脈血栓症] 現在妊娠8カ月です。妊娠・出産期は血栓ができやすくなると聞き、少し不安です。自覚症状はありますか。また、気を付けることがありますか。(30歳・主婦)

婦人科で気を付けなければならない病気に深部静脈血栓症、いわゆる「エコノミークラス症候群」があります。
これは深部、つまり下肢の静脈にできる血栓のこと。ずっと座ったままなど長時間同じ姿勢だと血流がうっ滞して血栓ができます。その血栓が血管の壁から剥がれて肺に流れてしまうと、肺動脈が詰まり、肺血栓塞栓(そくせん)症になってしまい、一気に呼吸困難に陥り死に至るケースも少なくありません。
婦人科疾患でも子宮筋腫や卵巣腫瘍(しゅよう)の手術後、帝王切開をした後などは、数日間動けず、寝たきりの状態なので、発症リスクが高まります。予防法としてあらかじめ弾性ストッキングを着用したり、間欠的空気圧迫法を行い、血流を良くしておきます。肥満の人は、さらに高いリスクにつながるので、普段から規則正しい生活習慣を心掛けましょう。
また、普段から足の腫れや痛みの自覚症状がある方は、一度、血液検査や超音波検査を受けることを勧めます。