[手術支援ロボット] 子宮筋腫を取り除く手術で、腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術という言葉を耳にしましたが、どのような手術ですか。また、ロボット手術もあると聞きましたが、本当ですか。(48歳・主婦)

腹腔鏡下手術とは、開腹しないで腹部に数カ所穴を開け、内視鏡の一種である腹腔鏡を入れてモニターを見ながら行う手術。傷口が小さく、発熱や出血も少なくてすむ低侵襲(しんしゅう)手術で、体への負荷が小さく術後の回復が早いというメリットがあります。婦人科では、卵巣嚢腫(のうしゅ)、子宮内膜症、子宮筋腫など良性の疾患で腹腔鏡下手術が適用されることがありますが、高度な技術を必要とします。
そこで、アメリカ製の手術支援ロボット「ダヴィンチ」が注目されています。これは、医師が3次元の立体画像を見ながらロボットを遠隔操作するというもの。医師の手の動きに合わせてロボットも動き、従来の腹腔鏡下手術より精密な動きが可能となり、熟練の医師でなくても切除や縫合が容易になりました。 このロボットは、アメリカでは爆発的な広がりを見せており、前立腺がんでは第一選択治療になっているほど。日本でも、前立腺手術などでこのロボット装置を使える施設も出てきました。しかし、装置の費用が高額で、一般的に保険診療適用外であることなどから、日本で導入している施設はまだ数える程度。今後、保険適用範囲が広がれば、日本でも普及していくかもしれません。